2010年2月 2日
ウィトルウィウス的人体図
1487年ごろにレオナルド・ダ・ヴィンチが描いた世界的に有名なドローイング。古代ローマ時代の建築家ウィトルウィウスの著作
をもとにダ・ヴィンチが書いた手稿の挿絵である。紙にペンとインクで、両手脚が異なる位置で男性の裸体が重ねられて描かれてお
り、外周に描かれた真円と正方形とに男性の手脚が内接しているという構図となっている。このドローイングが描かれている手稿
は、「プロポーションの法則 (Canon of Proportions)」あるいは「人体の調和 (Proportions of Man)」と呼ばれることがある。
ヴェネツィアのアカデミア美術館所蔵だが常設展示はされておらず、同美術館所蔵の他の紙に描かれた作品同様に時折展示される
のみである。
『ウィトルウィウス的人体図』はウィトルウィウスの著作である『建築論』第3巻の、理想的な人体図に関する記述をもとに描かれ
た作品で、ウィトルウィウスは同著で、人体こそが建築様式のオーダーにおける重要な構成要素であるとしている。ダ・ヴィンチの
ほかにもウィトルウィウスの記述をもとにした作品を残している芸術家もいるがそれほど有名ではなく、古くからこのドローイン
グが建築家ウィトルウィウスの名前を冠して呼ばれる作品となっている。
古典主義の対概念であるロマン主義とともに始まった多角的な考察は、人体の比率に普遍的なものなどは存在しないことを明確に
している。人体測定学 (en:Anthropometry) は、人体がそれぞれ異なったものであることの説明を目的として発展した学術分野で
ある。ウィトルウィウスの人体に対する考察は、あくまでも「平均的」なものであるとすれば、理解することは可能であろう。ウ
ィトルウィウスはへそを中心とすることによって人体の比率に正確な数学的定義付けを試みたが、この定義には問題がある。人体
の中心(重心)は四肢の位置によって変化し、起立した状態では通常へそよりも10センチほど下にあり、腰骨のあたりとなる。
このダ・ヴィンチのドローイングは、古代に書かれたウィトルウィウスの著作を、彼独自の人体に対する観察で昇華したものであ
ることに留意する必要がある。描かれている真円ではへそを中心としているが、正方形はへそを中心としておらず、解剖学的に見
て正しい、やや下に中心がある。この相違はダ・ヴィンチが芸術にもたらした数多い革新的な要素の一つであり、それまでの絵画
とこの作品との違いを決定的にしている。描かれている指先は、ウィトルウィウスの著作のそれよりも高く頭頂部と同じ位置にあ
り、へそを通る腕が形作るラインはより低い角度となっている。
このドローイングは18世紀のイタリア人画家・美術著述者のジョゼッペ・ボッシ (en:Giuseppe Bossi) が所有しており、ボッシは
1810年に『最後の晩餐』などを主題とする論文「The Last Supper, Del Cenacolo di Leonardo Da Vinci libri quattro」を、自
身が描いたイラストとともに書いた。1811年にはこの論文から『ウィトルウィウス的人体図』に関する部分を抜粋し、友人のイタ
リア人彫刻家アントニオ・カノーヴァへの献辞を添えた「Delle opinioni di Leonardo da Vinci intorno alla simmetria
de'Corpi Umani」を出版している。そしてボッシが死去した1815年にアカデミア美術館が、ボッシのイラストとともに『ウィトル
ウィウス的人体図』が描かれた手稿を入手した。
『ウィキペディア(Wikipedia)』引用
ウィトルウィウス的人体図にはこんな意味があったのですね。
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